あなたは人生を自分のやり方にひっぱりこもうとしすぎます。 村上春樹 「ノルウェイの森」
— 24601 (@feelthewind52) April 21, 2011
『本当にこのままでいいの?』『どう変えればいいのかわからないから、そのままでいいよ』 村上春樹 「ノルウェイの森」
— 24601 (@feelthewind52) April 21, 2011
そして俺は生きつづけるための代償をきちっと払わなきゃならないんだよ。 村上春樹 「ノルウェイの森」
— 24601 (@feelthewind52) April 21, 2011
自分に同情するな。自分に同情するのは下劣な人間のやることだ。 村上春樹 「ノルウェイの森」
— 24601 (@feelthewind52) April 21, 2011
『じゃあ私が誰かにきちんと私を理解してほしいと望むのは間違ったことなの?たとえばあなたに?』『いや、別に間違ってないよ。まともな人間はそれを恋と呼ぶ。』 村上春樹 「ノルウェイの森」
— 24601 (@feelthewind52) April 21, 2011
人が誰かを理解するのはしかるべき時期が来たからであって、その誰かが理解してほしいと望んだからではない。 村上春樹 「ノルウェイの森」
— 24601 (@feelthewind52) April 21, 2011
俺はハツミをだましたことなんか一度もない。そういう意味では俺はひどい人間だから、それが嫌なら別れろってちゃんと言ってる。 村上春樹 「ノルウェイの森」
— 24601 (@feelthewind52) April 21, 2011
『勃起しているかということなら、してるよ、もちろん』『ねえ、そのもちろんっていうのやめてくれる?』『いいよ、やめる』 村上春樹 「ノルウェイの森」
— 24601 (@feelthewind52) April 19, 2011
そうする前に私、もう少し自分のことをきちんとしたいの。きちんとして、あなたの趣味にふさわしい人間になりたいのよ。それまで待ってくれる? 村上春樹 「ノルウェイの森」
— 24601 (@feelthewind52) April 19, 2011
一般的に頭のまともな人はそういうのを好意とか愛情とかいう名前で呼ぶけれど、君が趣味って呼びたいんならそう呼べばいい 村上春樹 「ノルウェイの森」
— 24601 (@feelthewind52) April 19, 2011
あの思春期の少女独特の、それ自体がどんどん一人歩きしてしまうような身勝手な美しさとでもいうべきものはもう彼女には二度と戻ってはこないのだ。 村上春樹 「ノルウェイの森」
— 24601 (@feelthewind52) April 16, 2011
少なくとも私は公正に正直になろうと努力しています。 村上春樹 「ノルウェイの森」
— 24601 (@feelthewind52) April 15, 2011
こういう分析が世界を単純化しようとしているのか細分化しようとしているのか私にはよくわかりません。 村上春樹 「ノルウェイの森」
— 24601 (@feelthewind52) April 15, 2011
『公正』なんていうのはどう考えても男の人が使う言葉ですね。 村上春樹 「ノルウェイの森」
— 24601 (@feelthewind52) April 14, 2011
私、あなたのしゃべり方すごく好きよ。きれいに壁土を塗ってるみたいで。これまでにそう言われたことある、他の人から? 村上春樹 「ノルウェイの森」
— 24601 (@feelthewind52) April 14, 2011
そして直子に関する記憶が僕の中で薄らいでいけばいくほど、僕はより深く彼女を理解することができるようになったと思う。 村上春樹 「ノルウェイの森」
— 24601 (@feelthewind52) April 13, 2011
それから彼女は背伸びをして僕の頬にそっと頬をつけた。それは一瞬胸がつまってしまうくらいあたたかくて素敵な仕草だった。 村上春樹 「ノルウェイの森」
— 24601 (@feelthewind52) April 13, 2011
僕らの人生を高みに押し上げ、谷底に突き落とし、心を戸惑わせ、美しい幻を見せ、時には死にまでおいこんでいくそのような器官の介入がなければ、僕らの人生はきっとずいぶん素っ気ないものになることだろう。 村上春樹 「独立器官」
— 24601 (@feelthewind52) January 11, 2017
人と人が関わり合うというのは、とくに男と女が関わり合うというのは、なんていうか、もっと全体的な問題なんだ。もっと身勝手で、もっと切ないことだ。 村上春樹 「ドライブ・マイ・カー」
— 24601 (@feelthewind52) January 3, 2017
『夢というのは必要に応じて貸し借りできるものなんだよ、きっと』 村上春樹 「イエスタデイ」
— 24601 (@feelthewind52) October 11, 2016
『私は彼と何度かセックスをした』(中略)彼女はほんの少しだけ微笑んだ。『そう、好奇心と探求心と可能性』 村上春樹 「イエスタデイ」
— 24601 (@feelthewind52) October 11, 2016
僕は感心した。そして僕らは友だちみたいになった。 村上春樹 「イエスタデイ」
— 24601 (@feelthewind52) October 11, 2016
どこまでが実体なのか、どこからが反復されたイメージなのか、それさえ見分けがつかなくなってくるくらいだ。 村上春樹
— 24601 (@feelthewind52) April 24, 2016
彼女がそっくりと静かに引き受けて、それをぜんぶひっくるめて赦してくれているような気が、僕にはするのだ。もういいから忘れなさいと。それは「癒し」ではない。僕は決して癒されたりはしない。なにものによってもそれは癒されるものではない。ただ赦されるだけだ。 村上春樹
— 24601 (@feelthewind52) April 19, 2016
『有効に組み合わされた脈絡のない記憶』は、それ自体の直観を持ち、予見性を持つようになります。 村上春樹
— 24601 (@feelthewind52) March 1, 2015
イマジネーションというのはまさに、脈絡を欠いた断片的な記憶のコンビネーションのことなのです。 村上春樹
— 24601 (@feelthewind52) March 1, 2015
しかしエムの中にも、まだ十四歳の少女が住んでいた。その少女はひとつの総体として-決して部分的にではなく-彼女の中にいた。 「女のいない男たち」 村上春樹
— 24601 (@feelthewind52) February 8, 2015
哀しみを簡単に正確に計測できる機械がこの世界にあるといいのだけれど。そうすれば数字にしてあとに残しておけたのだ。 「女のいない男たち」 村上春樹
— 24601 (@feelthewind52) February 8, 2015
彼女は常に何かを信じようとする人だったから。 「女のいない男たち」 村上春樹
— 24601 (@feelthewind52) February 8, 2015
僕を知と無知の中間地点に据えること、それがどうやら彼の意図するところであるらしかった。 「女のいない男たち」 村上春樹
— 24601 (@feelthewind52) February 8, 2015
そう、両義的であるというのは結局のところ、両極の中間に空洞を抱え込むことなのだ。 「女のいない男たち」 村上春樹
— 24601 (@feelthewind52) February 8, 2015
彼女の目は奥行きを欠き、瞳だけが妙に膨らんでいた。後戻りの余地を持たない、決意に満ちた煌めきがそこにあった。 「女のいない男たち」 村上春樹
— 24601 (@feelthewind52) February 8, 2015
髭を伸ばしているだけで意外にたいくつが紛れるものだ。 「女のいない男たち」 村上春樹
— 24601 (@feelthewind52) February 8, 2015
生理期間中であれば、彼女は手を使ってその目的を果たした。その手際のよい、いくぶん事務的な手つきは、彼女が看護師の資格を持っていることを彼に思い出させた。 「女のいない男たち」 村上春樹
— 24601 (@feelthewind52) February 8, 2015
日常の規則性を何より重んじておられました。 「女のいない男たち」 村上春樹
— 24601 (@feelthewind52) February 8, 2015
彼は基本的に正直で率直で、自分をそれなりに公平に見ることができた。 「女のいない男たち」 村上春樹
— 24601 (@feelthewind52) February 8, 2015
育ちが良く、高い専門教育を受け、生まれてから金銭的な苦労をほとんどしたことがない人間の多くがそうであるように、渡会医師は基本的には自分のことしか考えていなかった。 「女のいない男たち」 村上春樹
— 24601 (@feelthewind52) February 8, 2015
彼のユーモアのセンスにはややこしい含みがなく、ストレートで実際的だった。 「女のいない男たち」 村上春樹
— 24601 (@feelthewind52) February 8, 2015
だいたいサッカーのハットトリックぐらいと頻度で 「女のいない男たち」 村上春樹
— 24601 (@feelthewind52) February 8, 2015
『私は彼と何度かセックスをした』『好奇心と探究心と可能性』と僕は言った。 「女のいない男たち」 村上春樹
— 24601 (@feelthewind52) February 7, 2015
その週はずっと晴れていた。毎日が毎日のつづきみたいだった。 村上春樹 「パン屋再襲撃」
— 24601 (@feelthewind52) September 2, 2014
カジキマグロの前に妹とそのコンピューターエンジニアが並んでにっこりと笑っていた。『立派なカジキだ』と僕は言った。『冗談言わないでよ』と妹は言った。『私本気なのよ』『なんて言えばいいんだ?』『何も言わなくていいわよ。その人なの』 村上春樹 「パン屋再襲撃」
— 24601 (@feelthewind52) September 2, 2014
僕は鍵を開けて電灯をつけ,妹の名前を呼んだ。しかし彼女はどこにもいなかった。まったく夜の十時にどこに行っちまったんだ、と僕は思った。それからしばらく夕刊を探したが、夕刊はみつからなかった。日曜日なのだ。 村上春樹 「パン屋再襲撃」
— 24601 (@feelthewind52) September 2, 2014
僕はアルコールに関してはアンダー・パーなんだ。 村上春樹 「パン屋再襲撃」
— 24601 (@feelthewind52) August 31, 2014
僕が最初に予想したように、その話は知りあったばかりの若い男女が語り合うには話題としてあまりにも特殊だったし、それ自体が完結しすぎていた。 村上春樹 「パン屋再襲撃」
— 24601 (@feelthewind52) August 31, 2014
新しいオン・ザ・ロックがやってくるまで、暫定的な沈黙が続いた。 村上春樹 「パン屋再襲撃」
— 24601 (@feelthewind52) August 30, 2014
『じゅうぶん魅力的だと思う』と淳平は言った。『でも君ほどではない』キリエは笑って、淳平の首にキスをした。『それって、正しい答えよね』『正しい答えが必要なときには、正しい答えを返すことにしている』『とくにベッドの中では』 村上春樹 「東京奇譚集」
— 24601 (@feelthewind52) August 21, 2014
女はスカートの膝の上にある形而上的なかたちをした架空のごみを手で払った。 村上春樹 「東京奇譚」
— 24601 (@feelthewind52) August 20, 2014
お話はちゃんとうかがっていますよ、という中立的な表情を顔に浮かべただけだった。 村上春樹 「東京奇譚集」
— 24601 (@feelthewind52) August 20, 2014
女の子とうまくやる方法は三つしかない。ひとつ、相手の話を黙って聞いやること。ふたつ、着ている洋服をほめること。三つ、できるだけおいしいものを食べさせること。 村上春樹 「東京奇譚集」
— 24601 (@feelthewind52) August 20, 2014
『説明なんかしたくなかったんだ』と彼は遮るように言った。『いちいち説明しなくても、わかってもらいたかったんだと思う。とくに姉さんにはさ』 村上春樹 「東京奇譚集」
— 24601 (@feelthewind52) August 19, 2014
決して悪い演奏ではないのだか、我々の心を別の場所に送り届けてくれるような何かがそこには不足していた。 村上春樹 「東京奇譚集」
— 24601 (@feelthewind52) August 18, 2014
彼らには解決すべき問題があまりにも多すぎるから、一つひとつ解決しようというよりは、なんとかそれと協調してやっていこうというかんじになってしまうのだ。 村上春樹 「中国行きのスロウ・ボート」
— 24601 (@feelthewind52) August 10, 2014
『ねえ、こういう話って退屈でしょ?』 村上春樹 「中国行きのスロウ・ボート」
— 24601 (@feelthewind52) August 10, 2014
わかるでしょ?とても仲が良かったのよ。 村上春樹 「中国行きのスロウ・ボート」
— 24601 (@feelthewind52) August 10, 2014
どことなく人を使い慣れたしゃべり方だった。そういうしゃべり方がちゃんとあるのだ。 村上春樹 「中国行きのスロウ・」
— 24601 (@feelthewind52) August 4, 2014
優れている、ということではありません。ただ完璧なのです。 村上春樹 「中国行きのスロウ・ボート」
— 24601 (@feelthewind52) August 2, 2014
僕はできれば単純に、なるべく単純に、いわば形而上的にものごとを処理したいのです。 村上春樹 「中国行きのスロウ・ボート」
— 24601 (@feelthewind52) August 2, 2014
僕たちは長いあいだ、ことばを探してずっと黙り込んでいた。地球の回転する優しい音だけが、僕と彼女の心を結んでいた。 村上春樹 「中国行きのスロウ・ボート」
— 24601 (@feelthewind52) July 28, 2014
僕の中国は僕のための中国でしかない。あるいは僕自身である。 村上春樹 「中国行きのスロウ・ボード」
— 24601 (@feelthewind52) July 28, 2014
柱時計の針が午前11時の鋭角を刻む。 村上春樹
— 24601 (@feelthewind52) July 26, 2014
『僕はモラリティーというものを信じています。モラリティーなしに人間は存在できません。僕はモラリティーというのは同時存在のことじゃないかと思うんです。』『つまり僕がここにいて、僕があそこにいる。僕は東京にいて、僕は同時にチュニスいる。責めるのが僕であり、許すのが僕です。』 村上春樹
— 24601 (@feelthewind52) July 13, 2014
『あら、こんなの簡単よ。才能でもなんでもないのよ。要するにね、そこに蜜柑があると思いこむじゃなくて、そこに蜜柑がないことを忘れればいいのよ。それだけ。』 村上春樹 「納屋を焼く」
— 24601 (@feelthewind52) July 12, 2014
それがあまりに単純すぎるので、いろんな人間が自分のふだん抱いているぼんやりとした感情のいくつかの単純な形に-たとえば「好意」とか「愛情」とか「あきらめ」とかいったものに-反射的に自分でもよくわからないうちに、転換させてしまうのだ。 村上春樹 「納屋を焼く」
— 24601 (@feelthewind52) July 12, 2014
習慣というものは不思議なものだ。ほんのちょっとした要素が欠けただけで、自分が世界の一部から見放されたような気分になってしまうのだ。 村上春樹 「回転木馬のデッド・ヒート」
— 24601 (@feelthewind52) June 26, 2014
要するに彼女にとって僕という人間は記号的なーもう少し好意的にいえば祝祭的・儀式的なー存在にすぎないのだ。僕という存在は彼女が日常的平面として捉えている世界には本当の意味では属していないのだ。 村上春樹 「回転木馬のデッド・ヒート」
— 24601 (@feelthewind52) June 25, 2014
甘やかされたり小遣い銭を与えられていたという程度のことは子供がスポイルされるための決定的な要因ではない。いちばん重要なことはまわりの大人たちの成熟し屈曲した様々な種類の感情の放射から子供を守る責任を誰がひきうけるかということだ。 村上春樹 「回転木馬のデッド・ヒート」
— 24601 (@feelthewind52) June 23, 2014
酒・美食・都会生活・スポーツカー・平穏なセックス、そして運動不足が、贅肉という醜悪な形をとって彼の肉体にこびりついていた。 村上春樹 「回転木馬のデッド・ヒート」
— 24601 (@feelthewind52) June 22, 2014
現状を維持する、今となってはこれが全てだ。 村上春樹 「回転木馬のデッド・ヒート」
— 24601 (@feelthewind52) June 22, 2014
彼はそういったタイプの人間だった。 村上春樹 「回転木馬のデッド・ヒート」
— 24601 (@feelthewind52) June 22, 2014
そういった種類の物の見方は他人の目には往々にして馬鹿げたものとして映るものだということが彼にはよくわかっていた。
二人はタクシーで家に帰り、セックスをした。 村上春樹 「回転木馬のデッド・ヒート」— 24601 (@feelthewind52) June 21, 2014
ジゴロになるためには、彼には何かが欠けている。それはひとことで言うと集約された飢えのようなものだ。 村上春樹 「回転木馬のデッド・ヒート」
— 24601 (@feelthewind52) June 20, 2014
警官の笑い方はいつも同じだ。年金をもらえる見込みのある人間だけが、そういう笑い方をする。 村上春樹 「カンガルー日和」
— 24601 (@feelthewind52) June 14, 2014
親切なわけじゃないんだと、僕は苦笑する。君よりはずっと退屈さに慣れているというだけのことなんだよ。 村上春樹 「カンガルー日和」
— 24601 (@feelthewind52) June 10, 2014
要するに彼女たちの退屈さが彼らをひきつけるのである。(中略)彼女たちは僕に、僕が退屈であった頃のことを思い出させてくれる。これはなんというか、とても素晴らしいことである。 村上春樹 「カンガルー日和」
— 24601 (@feelthewind52) June 10, 2014
スタン・ゲッツのヴェルヴェットのごときテナー・サクソフォンの上では、彼女はいつも十八で、クールでやさしいイパネマ娘だ。 村上春樹 「カンガルー日和」
— 24601 (@feelthewind52) June 1, 2014
それぞれの退屈さに向けてあてのない闘いをつづけていることだろう。 村上春樹 「カンガルー日和」
— 24601 (@feelthewind52) June 1, 2014
可能性が僕の心のドアを叩く。 村上春樹 「カンガルー日和」
— 24601 (@feelthewind52) May 29, 2014
これまで女の子と議論して勝ったことなんて一度もない。 村上春樹 「カンガルー日和」
— 24601 (@feelthewind52) May 29, 2014
全身に汗をかいており、心臓はまだ乾いた時を刻んでいた。 村上春樹 「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」
— 24601 (@feelthewind52) March 1, 2014
たぶん五十代前半だろう。顎が少し尖っているが、感じの良い顔立ちだった。表情には、その年代のある種の男たちが身につけている、無駄のない物静かな余裕がうかがえた。 村上春樹 「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」
— 24601 (@feelthewind52) March 1, 2014
悲痛な叫びを含まない静けさはなく、血を地面に流さない赦しはなく、痛切な喪失を通り抜けない受容はない。 村上春樹 「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」
— 24601 (@feelthewind52) March 1, 2014
休暇と友だちは、人生においてもっとも素晴らしい二つのものだ。 村上春樹 「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」
— 24601 (@feelthewind52) March 1, 2014
彼らは二人とも、ある時点でつくるの人生から去って行った。その理由も告げず、どこまでも唐突に。 村上春樹 「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」
— 24601 (@feelthewind52) March 1, 2014
『(前略)でもそんなのはただの言い訳よね』『君は自分の気持ちを正直に口にしているだけだ。言い訳とは違う』 村上春樹 「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」
— 24601 (@feelthewind52) March 1, 2014
内容はもちろんわからないが、その声にはどこかしら明快で前向きな印象があった。不足のない、ゆとりある生活を送っている健康な男の声だ。 村上春樹 「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」
— 24601 (@feelthewind52) March 1, 2014
どちらもそれぞれに自分の手でかたちあるもの、意味のあるものを作りたがっていた。 村上春樹 「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」
— 24601 (@feelthewind52) March 1, 2014
彼は首筋に彼女の穏やかな微笑みを感じることができた。 村上春樹 「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」
— 24601 (@feelthewind52) March 1, 2014
それは石のように硬く揺らぎない完璧な勃起だった。それほど硬くなれるなんて、自分でも信じられないくらいだ。皮肉なものだ。彼は暗闇の中で長く深いため息をついた。 村上春樹 「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」
— 24601 (@feelthewind52) February 21, 2014
『何か一点に集中して作業をするのが、昔から得意なんだよ』『そして頭も切れる』アカはにやりと笑った。『ありがとう。なかなかそこまでは自分の口からは言えなくてね』彼は煙草をまた一服し、灰皿に灰を落とした。 村上春樹 「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」
— 24601 (@feelthewind52) February 21, 2014
それぞれの家具や器具は高価なものだが、レクサスのショールームがその潤沢さを積極的に表に出しているとは逆に、すべてが控えめに目立たない様に設定されていた。金のかかった匿名性、それがこのオフィスの基本的なコンセプトであるらしい。 村上春樹 「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」
— 24601 (@feelthewind52) February 21, 2014
そしてつくるに椅子を勧め、また同じドアから姿を消した。クロームと白い皮で作られた、スカンジナビア・デザインのシンプルな椅子だった。美しく清潔で静かで、温かみを欠いていた。細かい雨の降りしきる白夜のように。 村上春樹 「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」
— 24601 (@feelthewind52) February 21, 2014
『人生は順調に運んでいる』『順調かどうかはともかく、少なくとも着実に前には進んでいる。言い換えれば、後戻りはできなくなっている』 村上春樹 「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」
— 24601 (@feelthewind52) February 21, 2014
行こうと思えばどこでも好きなところに行ける。ほとんどどこにでも。でも実際にどこに行けばいいのか、つくるには具体的な場所が思いつけなかった。 村上春樹 「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」
— 24601 (@feelthewind52) February 21, 2014
『もしフィンランドまで行く気があなたにあるのなら、旅行の手配は手伝ってあげられると思う』『君はプロだから』『おまけに有能で、手際もいい』『もちろん』とつくるは言った。 村上春樹 「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」
— 24601 (@feelthewind52) February 21, 2014
『僕にはとてもできそうにない』『人にはそれぞれ得意分野があるのよ。私にはとても駅なんてつくれない』『製図もきっとできない』彼女は微笑んだ。『たとえ二百年生きたってそんなことできない』 村上春樹 「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」
— 24601 (@feelthewind52) February 21, 2014
あるいはただ一緒に同じ部屋にいて、親密な沈黙を分かち合った。 村上春樹 「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」
— 24601 (@feelthewind52) February 21, 2014
『はっきり言っていいかしら?』『もちろん』『わりに言いにくいことなんだけど』『どんなことでいいから、僕としては君の考えていることを知りたい』 村上春樹 「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」
— 24601 (@feelthewind52) February 21, 2014
沙羅がどれほどのサラリーをとっているのか、つくるはもちろん知らない。しかし彼女は自分が着るものに金をかけることに馴れているようだった。 村上春樹 「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」
— 24601 (@feelthewind52) February 21, 2014
沙羅がテーブル越しに手を伸ばして、慣れた手つきで結び目を調整してくれた。淡い香水の匂いが心地良く鼻をついた。 村上春樹 「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」
— 24601 (@feelthewind52) February 21, 2014
『ネクタイを贈られるのが好きじゃないという男もいるけど』『僕は違う』とつくるは言った。『ある日思いたってネクタイを買いに行くなんてことはまずないからね。それに君はこういうものを選ぶ趣味がとてもいい』 村上春樹 「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」
— 24601 (@feelthewind52) February 21, 2014
つくるはこの数日、自分が多忙をきわめていた理由を簡単に説明した。できるだけ短くわかりやすく。 村上春樹 「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」
— 24601 (@feelthewind52) February 21, 2014
知覚というのはそれ自体で完結するものであり、それが何か具体的な成果となって外に現れるわけじゃない。 村上春樹 「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」
— 24601 (@feelthewind52) February 21, 2014
才能というのはな、灰田くん、肉体と意識の強靭な集中に支えられて、初めて機能を発揮するものだ。村上春樹 「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」
— 24601 (@feelthewind52) February 21, 2014
僕はなにも論理を信仰しているわけじゃありませんから。そういう論理にそぐわないものごとと、論理性との接点を探し求めていくことも大事な作業のひとつだと思っています。 村上春樹 「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」
— 24601 (@feelthewind52) February 21, 2014
緑川はあまり幸福そうな印象を人に与えなかった。彼の顔が浮かべる表情はおおむね、憂鬱と無関心のあいだを行き来していた。たまに口元に浮かぶ頬笑みは、知的なアイロニーを含む抑制されたものだった。 村上春樹 「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」
— 24601 (@feelthewind52) February 21, 2014
彼はとくにその響きに納得したようには見えなかったが、そのように鍵盤を押さえているだけで、ある程度の物理的な満足は得られるようだった。 村上春樹 「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」
— 24601 (@feelthewind52) February 21, 2014
その目には新しい光が浮かんでいた。彼自身にも見覚えのない光だった。孤独で行き場を持たない、限定された場所で完結することを求められている光だ。 村上春樹 「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」
— 24601 (@feelthewind52) February 20, 2014
朝目覚めたときの硬い勃起も久方ぶりに経験するようになった。 村上春樹 「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」
— 24601 (@feelthewind52) February 20, 2014
『知らない女と寝てまわって得るものなんて何もない。疲れて、自分が嫌になるだけだ。そりゃ俺だって同じだよ。』 『(中略)つまりさ、可能性がまわりに充ちているときに、それをやりすごして通りすぎるというのは大変にむずかしいことなんだ』 村上春樹「ノルウェイの森」
— 24601 (@feelthewind52) September 1, 2013
そういう可能性が目の前に転がっていて、それをみすみすやりすごせるか?自分に能力があって、その能力を発揮できる場があって、お前は黙って通りすぎるかい? 村上春樹 「ノルウェイの森」
— 24601 (@feelthewind52) September 1, 2013
彼女たちは何かを求めていて、俺はその何かを与えることができるんだ。それは本当に簡単なことなんだよ。水道の蛇口をひねって水を飲むのと同じぐらい簡単なんだ。そんなのアッという間に落とせるし、向うだってそれを待っているのさ。それが可能性というものだよ。 村上春樹 「ノルウェイの森」
— 24601 (@feelthewind52) September 1, 2013
ひょっとしたら、強健な肉体によってもたらされる自負心だけではもう、彼の自己中心的な心の滋養には足りないのかもしれない。 スコット・フィッツジェラルド 村上春樹訳 「グレート・ギャツビー」
— 24601 (@feelthewind52) August 1, 2013
女の子で嬉しいわ。馬鹿な女の子に育ってくれるといいんだけれど。それが何より。きれいで、頭の弱い娘になることが。 スコット・フィッツジェラルド 村上春樹訳 「グレート・ギャツビー」
— 24601 (@feelthewind52) August 1, 2013
判断を保留することは、無限に引き延ばされた希望を抱くことにほかならない。 スコット・フィッツジェラルド 村上春樹訳 「グレート・ギャツビー」
— 24601 (@feelthewind52) August 1, 2013
『他人のことはなんとでも簡単に言えるのよ』とすみれは言った。『だいたいあなたは生まれてから煙草を吸ったこともないじゃない』
『他人のことがなんとでも簡単に言えなくなったら、世界はすごく陰鬱で危険な場所になる』
村上春樹 「スプートニクの恋人」— 24601 (@feelthewind52) March 3, 2013
美しさというのは何なのだろう、どのような価値があるのだろう、すみれははいつも不思議に思う。でも誰も答えを教えてはくれない。そこにはただ動かしがたい効能があるだけだ。 村上春樹 「スプートニクの恋人」
— 24601 (@feelthewind52) March 3, 2013
僕と直子は心のこもった口づけをした。 村上春樹 「ノルウェイの森」
— 24601 (@feelthewind52) January 14, 2013
『翻訳することと小説を書くこととでは、何がどのように違いますか』『性欲と愛欲くらい違います』 村上春樹
— 24601 (@feelthewind52) September 22, 2012
落ちたばかりの涙は、血液のように温かい。体内のぬくもりをまだ残している。 村上春樹 「アフターダーク」
— 24601 (@feelthewind52) March 10, 2012
何の予告もなく、涙がこぼれ出てくる。とても自然な、大きな粒の涙だ。 村上春樹 「アフターダーク」
— 24601 (@feelthewind52) March 10, 2012
ありがとう。長い手紙を書くよ。 村上春樹 「アフターダーク」
— 24601 (@feelthewind52) March 10, 2012
ねえ、僕らの人生は、明るいか暗いかだけで単純に分けられているわけじゃないんだ。そのあいだには陰影という中間地帯がある。その陰影の段階を認識し、理解するのが、健全な知性だ。 村上春樹 「アフターダーク」
— 24601 (@feelthewind52) March 10, 2012
暗いのって、けっこう疲れるんだね。 村上春樹 「アフターダーク」
— 24601 (@feelthewind52) March 10, 2012
人間ゆうのは、記憶を燃料にして生きていくものなんやないのかな。 村上春樹 「アフターダーク」
— 24601 (@feelthewind52) March 9, 2012
あんたがお姉さんに対してほんとに親しい、ぴたっとした感じを持てた瞬間のことを思い出しなさい。 村上春樹 「アフターダーク」
— 24601 (@feelthewind52) March 9, 2012
世の中にはね、一人でしかできんこともあるし、二人でしかできんこともあるんよ。それをうまいこと組み合わせていくのが大事なんや。 村上春樹 「アフターダーク」
— 24601 (@feelthewind52) March 9, 2012
時間をかけて、自分の世界みたいなものを少しずつ作ってきたという思いはあります。そこに一人で入りこんでいると、ある程度ほっとした気持ちになれます。でもそういう世界をわざわざ作らなくちゃならないっていうこと自体、私が傷つきやすい人間だってことえすよね? 村上春樹 「アフターダーク」
— 24601 (@feelthewind52) March 9, 2012
でもね、もし万が一やで、それが理解やら創造やらをしっかり要求する種類の無やったらどうするの? 村上春樹 「アフターダーク」
— 24601 (@feelthewind52) March 9, 2012
私はね、輪廻みたいなもんがあるはずやと思てるの。というか、そういうもんがないとしたら、すごい恐い。無とゆうもんが、私には理解ができないから。理解もできんし、想像もできん。 村上春樹 「アフターダーク」
— 24601 (@feelthewind52) March 9, 2012
弱いからこそ、成りゆきみたいなことにずるずる流されてしもたんや。 村上春樹 「アフターダーク」
— 24601 (@feelthewind52) March 9, 2012
秒針は滑らかに文字盤の上を回転している、世界は間断なく、連続的に進んでいく。論理と作用は隙間なく連動している。少なくとも今のところは。 村上春樹 「アフターダーク」
— 24601 (@feelthewind52) March 9, 2012
論理と作用の相関関係について思考を巡らせている。論理が作用を派生的にもたらすのか、あるいは作用が論理を結果的にもたらすのか? 村上春樹 「アフターダーク」
— 24601 (@feelthewind52) March 9, 2012
でもとくに感想も述べず、質問もしない。 村上春樹 「アフターダーク」
— 24601 (@feelthewind52) March 9, 2012
その動きはシステマチックであり、確信に満ちている。 村上春樹 「アフターダーク」
— 24601 (@feelthewind52) March 9, 2012
僕は彼女にとっては、適当に相づちをうってくれる、多少は人間味のある壁みたいなものみたいなものにすぎなかった。 村上春樹 「アフターダーク」
— 24601 (@feelthewind52) March 9, 2012
情愛とアイロニーを必要としないセックス。 村上春樹 「アフターダーク」
— 24601 (@feelthewind52) March 5, 2012
カオルは眉を寄せる。『アイロニーって?』『人が自らを、または自らに属するものを客観視して、あるいは逆の方向から眺めて、そこにおかしみを見いだすこと』 村上春樹 「アフターダーク」
— 24601 (@feelthewind52) March 5, 2012
とりあえず私たちは判断を保留し、その状況をありのまま受け入れるしかなさそうだ。 村上春樹 「アフターダーク」
— 24601 (@feelthewind52) March 5, 2012
『ピンボールは上手いの?』『以前はね。僕が誇りを持てる唯一の分野だった』『私には何もないわ』『失くさずにすむ』 村上春樹 「1973年のピンボール」
— 24601 (@feelthewind52) December 28, 2011
彼の体にしがみつく女の細い腕を思い出すたび、鼠の心の中に長い間わすれていた優しさのようなものが広がっていくのが感じられた。 村上春樹 「1973年のピンボール」
— 24601 (@feelthewind52) December 27, 2011
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